時計修理とオーバーホールの具体的な違いについて知っておこう!
ロレックスやオメガなどの高級腕時計を購入した際、「定期的にオーバーホールが必要」と教えられた方も多いのではないでしょうか。ただ「オーバーホールは修理とどう違うのか?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。この記事では「オーバーホールと修理の違い」や「時計が長持ちするメンテナンス方法」について解説します。
時計修理とオーバーホールの具体的な違い
まず時計の修理とオーバーホールの違いについて、具体的に説明します。
オーバーホールとは
オーバーホールとは「定期的な分解・点検」のことです。具体的には、まずすべての部品を分解して洗浄し、故障している箇所がないか点検します。機会式腕時計であれば、酸化してしまった古い油を取り除いて、新しい油を入れる作業も不可欠です。再度部品を組み立て、きれいに磨いて終了となります。
「故障したからオーバーホールする」ということではなくて、定期的なメンテナンスなのですね。「悪くなっている箇所がないか定期的に調べる」という意味で、「車の車検」や「人間の健康診断」をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
時計修理とは
修理は、すでに故障してしまった箇所を直すことをいいます。具体的には「壊れてしまった部品」「故障の原因となる部品」の修復や交換を行います。先ほどと同じく車や人間に例えるなら、「パンクしたタイヤの交換」や「病院での手術」といったイメージです。
時計修理が必要なタイミング
時計修理が必要になるタイミングは、主に2つです。
オーバーホールで故障が見つかったとき
オーバーホールで不具合が見つかって修理が必要だと分かり、そのまま修理に出すケースが多いです。「分解してみないと、故障や故障しそうな箇所が分からない」ことも多いからですね。どんな時計でも、使い続けていればどうしても部品が摩耗してしまいます。
オーバーホールで不具合が見つかったら、早めに修理しましょう。不具合があるまま使い続けていると、「劣化が進んだせいで修理代が高くつく」「修理できない状態にまで悪化してしまう」といった可能性もあります。
「時計が動かない」など明らかに故障しているとき
「時計が動かない」「挙動がおかしい」など、明らかに壊れている場合も修理が必要です。機械部分でなく「バンドが壊れた」といった場合も、バンドの交換などが必要になります。
時計の寿命を延ばすテクニック
この章では、大切な腕時計を長く愛用するためのテクニックをお伝えします。
電池が切れたら早めに交換する
クオーツ時計の電池が切れたら、なるべく早く電池交換しましょう。電池が切れたままにしていると、電池に残っているわずかな電流が腕時計へ流れ続けます。すると液漏れが起こり、時計を動かすムーブメントが錆びてしまう可能性があるのです。こうなると分解して修理するほかありません。なお「クオーツ時計を長期間使用しない」という場合は、電池を抜いて保管することをおすすめします。
機械式腕時計は最低でも3か月に一度はゼンマイを回す
機械式腕時計の場合は、3か月に1回はゼンマイをフルに巻きましょう。ベストなのは毎日巻くことで、「3か月に1回」は最低ラインだと思ってください。機械式時計のゼンマイを巻くのは、内部にある部品を守るためです。
ゼンマイを巻かないと、部品をスムーズに動かすための油が凝固して、部品の劣化が早まります。すると時計の精度が狂ったり、動かなくなったりする不具合につながってしまいます。
保管場所に注意する
時計は大変繊細な精密機械です。そのため、「磁気を発するものの近くに置かない」「寒暖差がある場所や高温多湿になる場所を避ける」のは鉄則です。磁気を発するものとしては「スマートフォン・携帯電話」「パソコン」「タブレット」「テレビ」「電子レンジ」などが挙げられます。時計の時刻がズレた場合、磁気を帯びている状態かもしれません。修理店で磁気抜きしてもらえば、ズレは直ります。
また防水性があまり高くない腕時計であれば、寒暖差や湿度にも注意しましょう。寒暖差がある場所だと、腕時計内に結露が発生する可能性があるからです。また湿気が多い場所は、金属の錆びにつながります。そのためシャワー・プール・サウナなどでの使用は避けることをおすすめします。
定期的なオーバーホールに出す
定期的なオーバーホールも大切です。早めに不具合が起こりそうな箇所を見つけ、対処しておけば、腕時計の寿命は長くなります。反対に不具合を放置していると、傷みが激しくなって修理すらできない状態になってしまうこともあります。機械式時計は3~4年に1回、クオーツなら電池が切れたタイミングでメンテナンスを行うことがおすすめです。
腕時計のオーバーホールは「定期的なメンテナンス」、修理は「故障した部品の修復や交換」を指します。人間でいうと「健康診断」と「治療・手術」といったイメージです。オーバーホールで不具合が見つかり、修理することもよくあります。機械式でもクオーツでも、オーバーホールは時計の寿命を延ばすための有効な手段です。日々の保管場所や自分でできるお手入れに気を遣いつつ、定期的にオーバーホールに出して早めに不具合に対処することで、大切な時計を長く愛用できます。
