時計の修理は「時計修理技能士」が在籍する店舗に依頼しよう!
時計の修理を依頼するとき、何を基準に修理店選びをするでしょうか。東京にはたくさんの修理店が存在しているので、迷ったときには「時計修理技能士」が在籍していることを基準にしてみるのもよいかもしれません。この記事では、時計修理技能士が在籍する修理店をおすすめする理由と、時計修理にかかる費用のおおよその目安について解説します。
「時計修理技能士」とは?
アナログ時計は、内部がとても精密にできています。専門的な知識がなければ、難解で複雑な構造に見えるでしょう。扱う部品も非常に小さく、修理には専門的な知識と高い技術力が必要です。
修理店に在籍している時計職人の技量を証明する資格として「時計修理技能士」という資格があります。時計修理技能士とは、アナログ時計の修理にまつわる知識や技術を有する人を認定する、時計修理に関する資格の中で唯一の国家資格です。都道府県職業能力開発協会が実施する学科試験と実技試験に合格したもののみが時計修理技能士と名乗れます。
検定試験は1級から3級まで分かれており、それぞれに受験できる条件が設けられています。年齢制限などはないのですが、それぞれの級に応じた実務経験がないと受験できません。時計修理技能士の資格を与えられた人は、時計修理にまつわる豊富な知識を持っているだけでなく、豊富な修理実績も持っているといえるでしょう。
時計の修理は「時計修理技能士」が在籍する店舗に依頼しよう
時計修理を依頼するなら、「時計修理技能士」が在籍している店舗を選ぶことをおすすめします。時計修理技能士を名乗るには、国家試験を受けないといけません。検定試験には受験資格が設けられています。3級は日数を問わないけれど実務経験がある者、2級は3級合格者または2年以上の実務経験、1級は7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験、もしくは3級合格後4年以上の実務経験が必要です。
検定試験を受けるにも、実際に時計職人として働いた実績が問われるのです。3級のみ1日でも実務経験があれば受験できますが、級が上がるごとに受験資格を得るだけでも長い年月を要します。時計技能士になりたいからといって、誰でもすぐに受験できるわけではないのです。
先ほど時計修理には専門的な知識が必要と述べましたが、いくら豊富な知識を持っていても、それを活用できる技術力がないと意味がありません。もちろん資格がなくても時計修理はできますが、それだと職人がどれほどの知識や経験を持っているか推し量れないでしょう。
時計修理技能検定は級が上がれば上がるほど実務経験が厳しく問われます。とくに1級だと最低でも2年の実務経験があることになります。2級や3級よりも1級の時計修理技能士が在籍している修理店は、豊富な知識と確かな技術力を持つ時計職人が在籍していることの証になるのです。
時計の修理費用の目安
時計修理技能士が在籍する店舗に依頼した場合、修理費用はどのくらいになるのでしょうか。参考までにおおよその目安を紹介します。
電池交換
ブランドによって異なりますが、900円~6,000円程度が相場でしょう。時計が動かなくなったときは、電池切れが原因であることが多いです。放置しておくと、電池の液漏れによる内部の腐食や錆の原因になってしまうので、早めに電池交換をしましょう。
オーバーホール
電池交換をしても動かないときは、内部になんらかの不具合が発生している可能性があります。そんなときは、オーバーホールをしてもらいましょう。費用は一般的な時計だと8,000円~、ブランド時計だと2万円~が相場です。修理店やブランドによって費用に幅があるので、かならず見積もりを取ってもらってから依頼しましょう。
ベルト調整・交換
腕時計のベルトの長さ調整するときは、金属時計のコマ取りだと500円~1,000円程度、革ベルトの穴あけだと1穴につき200円程度が相場です。また、ベルトが破損した場合は、破損の状態により交換が必要となります。パーツの交換の場合は、部品代に加えて1,500円~2,500円の工賃が必要になります。パーツ交換をしなくても溶接などの修理のみで回復することもあるので、事前に修理店に相談するとよいでしょう。
ベルト全体の交換が必要な場合は、一般的な時計だとベルト代に加えて1,000円~5,000円程度、高級腕時計だと、ベルト代と工賃をあわせて数万~10万円以上になることがあります。
ガラス(風防)の修理・交換
文字盤を覆っているカバーをガラス(風防)といいますが、腕時計を使用しているうちにどこかにぶつけたり落下させたりすることがあるでしょう。衝撃で傷つけてしまったガラスの修理・交換費用は、ガラスの素材によって異なります。一般的なアクリルガラスは6,000円~、ミネラルガラスは1万円~、サファイヤガラスは1万5,000円~です。
針の取り付け
針が外れたときの取り付け費用相場は、4,000円~です。
リューズの交換
リューズがねじ込めない、空回りしてしまうなどの不具合が生じたら、リューズを交換するタイミングかもしれません。リューズ交換にかかる費用相場は、5,000円~です。
パッキンの交換
腕時計の天敵である水分から守ってくれるのが、パッキンです。パッキンが劣化すると、隙間から水分が入り込んで故障の原因となります。パッキンの交換費用の相場は、1,000円~と比較的安価なので、定期的に交換しましょう。
時計修理技能士は、時計修理に関する豊富な知識と技術を持っています。どこに時計修理を依頼すればよいか分からないときは、時計修理技能士が在籍している店舗を選ぶとよいでしょう。あわせて時計修理にかかる費用の相場も紹介したので、ぜひ修理店選びの参考にしてみてください。
